ラズパイ以外にも、調査研究対象を広げようということで、今流行りのAIにちょっと手を出してみました。かなり深い沼だったので、また忘れないようにここにメモしておきたいと思います。
きっかけ
きっかけは、ChilloutMixというハッシュタグで流れてきたツイートでした。現在 Chat GPT など空前のAIブームで、画像生成AIも日々進化しており、それを目の当たりにしてしまったのがきっかけです。
す、すごすぎる。これAIが描いたのか・・・。
ちょっと手を出してみたいと思い、色々調べてみたところ、Stable DeffusionというオープンソースのAIを使って描いているようでした。オープンソースということは、無料で使えるということです。
これを簡単に使うには、どうしたらいいか調査し、行き着いたアプリが「Draw Things」です。
Draw Things
Draw Things は Mac, iPad, iPhoneで動くアプリです。当然ですがちょっと重いです。そして17+なので、年齢制限があります。
しかし、このアプリが無料とは・・・。
モデルのダウンロード
モデルは、civitai で探すことができます.
様々なモデルが公開されています。「CHECKPOINT」がモデルで、「LORA」は、画像を調整するためのモデルの様です。
早速「ChilloutMix」で検索すると、次のように出ました。
「NSFW」というマークが付いています。
これは、not safe for workの頭文字を取ったものだそうで、アダルトコンテンツを生成することも出来るという事だそうです。
クリックすると「Sensitive Content」となって、Sign In しないと表示されません。
私は、自分のGoogle アカウントでサインインしました。
画面右側にダウンロードリンクがありますので、早速モデルをダウンロードします。
無料で使えるのですが、ライセンスを確認すると、モデルや生成画像を売ることは禁止され、画像を公開する場合は、クレジットの表記をすることが求められいます。
タグから、だいぶ危険な香りがするので、個人で楽しむ目的で使うのが良いと思います。
モデルのインポート
ダウンロードしたら、Draw Thingsの左上の「Model」のところをクリックし、「Customize…」を選択すると、右のようなダイアログが表示されます。
Download Fileをクリックすると、選択肢に先ほどダウンロードした ChilloutMix があるので、それを選択し、インポートします。
インポートしたら、ダウンロードしたファイルを削除するか聞かれますので、容量確保のために、削除しましょう。
テスト作画
さて、準備は整いました。早速作画してみましょう。AIに与えるお題のことを「Prompt」と言います。巷では「呪文」とも言われている様です。
試しに、全てデフォルトのまま、「Two men and women holding flowers」と入れて、右上の[Generate]ボタンをクリックして作画させてみます。
待つこと十数秒。次のような絵が描かれました。
ちょっと、プリントアウトして額縁にでも入れて飾っておけそうな感じです。記事の最初で紹介したTwitterの絵とは程遠いですが、たった1行の英文をAIが解釈して描くとこうなるということです。
ここで、注意したいのは、Seed値です。Seed値が同じなら、AIは完璧に同じ絵を描くことができるのです。試しに、もう一回[Generate]をクリックしてみると全く同じ絵が描かれます。(細部が微妙に違うこともありますが、ほとんど同じになるはずです)
Seedをクリックすると、シードがランダムな値に再設定されるので、Seedを変えてもう一枚描いてみました。
面白いですね。この2枚の絵を見ると分かるのですが、AIは手を描くのが苦手なのです。これから先、この件で結構悩まされることになります。
さて、目的の絵はこんなタッチではありません。プロンプトを次の様に調整してみます。
8k, best quality, photo realistic, ultra detailed, Two men and women holding flowers
ちょっと精細になってきました。ただ、まだ写真っぽくはないですね。
negative prompt
プロンプトの右側にあるボックスがネガティブプロンプトです。ネガティブプロンプトは、描いて欲しくない情報を入れる場所になります。
まず、絵画タッチな成分を除去してみましょう。ネガティブプロンプトに次の様に入れてみます。
paintings, sketches
あれ?男性がいなくなってしまった。ChilloutMixは男性を描くのが苦手なのかもしれません。でも、かなり写真っぽくなってきました。さらに、クオリティを上げるために、次のワードを追加。
paintings, sketches, worst quality, low quality
プロンプトは、その影響力を変えることができます。()で括ると1.1倍になります。試しにネガティブプロンプト全てを()で括ってみました。
ほとんど変更なし・・・。ってことで、ネガティブプロンプトの後ろに「:1.6」をつけて、1.6倍にブーストしてみます。
(paintings, sketches, worst quality, low quality:1.6)
おおお〜だいぶ写真っぽくなって来ました。
これ、花を両手に持っているのは、プロンプトの「Tow」が影響していると思うので、男性とその部分をバッサリ削って、品質を強調して、プロンプトを次の様にしてみました。
(8k, best quality, photorealistic, ultra detailed), women holding flowers
なんか、もうだいぶ写真っぽいですね!
解像度を上げる
では、この絵の解像度を上げてみます。
左側に、Upscalerという部分があるので、そこから「Real-ESRGAN X4+」を選択します。初めて選択すると、ダウンロードするか聞いて来ますので、ダウンロードして下さい。
もう一度、作画させます。高解像度で描くので、その分時間も余計にかかりますが、次の様な絵が出来ました。
と、こんなに簡単にAIに絵を描かせることが出来るのです。
皆さんもやってみては如何ですか?
ただし、プロンプトの沼はメチャクチャ深いですよ。
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